自ら“快”の思考パターンを作り出す生き方が、本当の『社会力』
チャレンジするかしないか。その選択基準は、チャレンジすることが、その人のエネルギー(やる気)につながるかどうかです。エネルギーがアップすることをスポーツの世界では、“セルフイメージが大きくなる”といいます。内発的動機で、自らのエネルギーを作り出す。自らが自らのエネルギーをキープできる状態にもっていかなくては勝負の世界では勝てません。自分に基づいて、自分のコントロールに則った、自分のチャレンジ。これが重要なんです。外圧でのみ動く場合(外圧的動機)、人や環境、状況のせいにしてしまう。これでは自分らしい結果は出せません。
不快なことが多い世の中で、自ら“快”の思考パターンを作り出せること。これを私は、本当の社会力と呼んでいます。では、どうやって内発的動機でセルフイメージをコントロールし、結果を出していくのか、3つの快というキーワードで説明しましょう。

この3つの“快”が うまく自分から作り出せる人は、

内発的エネルギーが高く、

セルフイメージが大きく、結果を出す人だといえます。

1.何ごとも好きととらえる感情
イチロー選手などは、良いところを見る力が非常に高いですね。だから面白くない練習も楽しいわけです。弱いチームやダメな会社は、反省会ばっかりしています(笑)。良いところを見る習慣をつけること。良い部分を見て過ごせば、同じ一日でも大きく違います。
2.目標を達成したときの獲得のイメージ
何かをやり遂げたときの獲得のイメージというと、とかく物質をイメージしがちですが、強い選手は精神的なものを考えます。そう、嬉しさや満足、喜びです。清水宏保選手や有森裕子選手などはその代表格。自分をほめてあげたい!」はあまりにも有名ですよね。
3.学び、成長、発展など変化を感じ取れること
結果は変化の集大成です。たとえばオリンピックは、出場するにふさわしい“変化を成し遂げた自分”こそ与えられる資格です。代表格はイアン・ソープ選手ですね。変化を見つける力は、磨いて身に付けないと。日々の変化を楽しんで快を生み出すようにすれば、結果が出なくても取り組めるようになり、次のチャレンジにつながっていきます。
生きる意味を探していくことが、“生きる意味”
田村選手や里谷選手もセルフイメージの大きな選手ですね。田村選手はトップを維持し続けていますし、里谷選手はソルトレイク前まで調子が良くなかったのにメダルを取ったこと(大きな大会では結果が出せない人もいますから)がそれを証明しています。小さな変化を見つけていくことが第一歩。生きる意味を探すこと、過程や変化の途中こそ“生きる意味”なんですから。学んだこと、発見したことを毎日振り返ってみてください。
検証!!実績を積み重ね、チャレンジを続ける、女性たちの軌跡
チャレンジャーたちの3つの“快”
●ソニー 武田由佳さん
刺激がないと生きていけない
だからやりたい仕事は、自分から引き寄せる
デザイナーとしてソニーに入社。ソニープラザのVI・CIやエンターテインメントロボット「AIBO」のプロデュースを手掛けるなど、次々ヒットを飛ばしている武田さん。
そのチャレンジ精神はどこから湧いてくるのだろうか。
「ソニープラザのVI・CIの時は、社内デザイナー数名でデザインコンペを行いました。
入社してすぐの時期だったにもかかわらずコンペに参加させてもらった上、私の作品が選ばれた時は、
嬉しかったように記憶しています。当時からプロジェクトだけではなく、色々なことにチャレンジしたいと思っていました」
武田さんは、NYのソニー・ミュージックエンタテインメントでの仕事も手に入れている。そのきっかけは、やはり社内アピールだったという。
「会社としても、新人がどのような志向をもっているのかわからないですよね。だから仕事中でもヒップホップやラップをかけ、音楽が好きであることをアピールしました。その結果“NYに行ってみない?”という話をいただきました」
自分を枠にはめず、我慢しないこと、今やりたいことを取捨選択することが大切だそうだ。このチャレンジ力を、ぜひ見習いたい。
◇武田さんの3つの“快”◇
●ロフト 矢野豊子さん
29歳の悔しかったできごとをきっかけに
満足の指標を“自分軸”へ
以前は西武百貨店で働いていた矢野さん。29歳の時、係長昇進の話が持ち上がった。女性が昇進することなど稀な時代のことだ。
「その時ちょうど妊娠がわかって見送りに。悔しかったですねえ」
休職が明けて元の職場に復帰しても残業ができない。高級食器の売り場を経て、『ロフト』に異動した。商品も勤務地も変わり、新鮮さはあったが残業できない、子どもの病気で急に休むで、いつも評価は低かった。昇進の道もなく、認めてもらえず苦しかったとき、考え方の転換で救われた。
「自分が満足できれば良しとしよう!と思ったんです。売り場の数値目標より高い、自分自身のノルマを決めて、どれだけ達成できたか挑戦していったんです」
その後、工具の売り場に異動。コンセプトがはっきりした高級食器ではなく、2台の陳列棚の消耗品を自分が売るの?と、気持ちがついていかなかったが、“ん?掃除遵具も必要なものじゃない”と奮起。お客様の望むものを考え、商品替えなどを行った結果、面白いように売り上げは伸びていった。そこへ、“家事雑貨をやってよ、任せるから”という引き抜きが。
「頑張れば上は見ていてくれる。嬉しかったなあ」
売り場は見事成功。矢野さんが作った売り場は、家事雑貨の基盤になっているという。
◇矢野さんの3つの“快”◇
●ボストン・コンサルティング グループ 阪本道子さん
自分が最低やりたかったことを達成できなければ、
絶対やめちゃだめだと思う
「いきなりビッグドリームを叶えるのはムリだけど、スモールドリームは必ずやり遂げるようにしています」と語る阪本さんは、プロジェクトマネジャーという要職に就くコンサルタント。思考は複雑さよりシンプルさ、愚直であることが大切と話す。
「愚直にがんばることって、とっても大切。愚直だからこそ、タイプの違う上司であっても良い部分を盗むし、つらい局面にあっても好き・面白いを発見できる。愚直=対象物に真剣だからこそ、広い視野や視座を持てるように努力できるんですよ」
女性の中には「活躍させてもらえない」と言う人がいるが、気になる発言だと阪本さんはいう。
「なりたい自分・やりたかった仕事を明確化して、それを成し遂げるために自分から仕事をいただきにいく。1回はねられても、また次の機会に行けばいい。女性は情報発信をしているがあまり、人から情報を吸収しない頑固な人が多いと感じます。相手がどう思っているのか常に考え、ときには教えてください、というかわいらしさも必要だと思いますよ」
コンサルティングでの喜びは、提案した戦略に対し、お客様に驚きをもって迎えられ、お客様のビジネスが良くなることだという。この喜び、小さな目標を1つひとつ積み重ねていくこと。これが阪本さんにとってのチャレンジだ。
◇阪本さんの3つの“快”◇
●バンダイ 小島香織さん
100万個の大ヒットは、
ほんの1歩をためらわない勇気から生まれた
『Canバッチgood!』(カンバッチグー)をご存知だろうか。缶バッチが作れる玩具で、100万個を超す大ヒットとなった。企画担当した小島さんに、ヒットの要因と製作の裏舞台をお聞きした。
「ギフトショーで缶バッチを作る大きな機械があったので、これをアレンジできないかと。小学4年生くらいからは本物志向なので、安っぽいものにはしたくないという、こだわりもありました」
バンダイは1人1アイテム担当制で、外部のメーカーやデザイナー、社内の設計図面チームなど多人数をまとめるプロデューサー的な役割をする。また、“かわいい形にしないと女の子はダメ”などお客さんの声を代弁するのも小島さんの仕事だ。入社4年目の身には重荷ではなかったんだろうか。
「“どうしよう”じゃなく、“ま、いいっか”と考えるようにしています。トラブルが起こるのは当たり前で、悩んでも仕方ない。新商品検査の時、バッチができない!という事件がありました。夜の10時過ぎだったんですけど、考えるより先にメーカーさんの所へ走ってました。図面が読めないので上司にもよく相談しましたし、要所要所で聞く人を持っていたのは、本当に良かったと思います。聞くことは、最大最速の手段ですよ」
悩むよりまず、やってみよう、行ってみよう、買ってみよう、が大切だと小島さんは語った。
◇小島さんの3つの“快”◇
チャレンジ体質の鍛え方
3名の達人に聞く、チャレンジ体質とモチベーションの高め方

チャレンジ体質を高めるための様々な方法を、
占い師のセレスさん、中谷彰宏さん、前出の辻秀一さんに教えていただきました。今すぐできるものばかり。
会社で、家で、毎日試してみてください。きっと自分が変わるはずです!

MON.
●週のはじめに、会社ではまず笑顔でおはようと言ってみましょう!返事がなくても問題ありません。自分のために言うのです。(辻さん)
●チャレンジ体質を作るには、ジャスミン、バラ、ネロリの純度100%のオイルをまぜたお湯で入浴するといい。とてもパワーが湧いてきます。(セレスさん)
TUE.
●仕事は自分のやりたいことやできることをまず考えて、やってみましょう。そして元気が出れば、やらなきゃいけない事も、やりたいことやできることに変わるかもしれません。(辻さん)
●物事を継続させたかったら、精神的な満足感を追求しよう。満足感の正体は脳内麻薬。僕の場合は、女の子が僕の本を読んで笑ってくれれば満足なんだ。だから笑ってくれたら、本を書くことが「もっと、もっと」と継続できる。自分なりの脳内麻藥の出し方を、見つけるといいよね。(中谷さん)
WED.
●仕事で新しい工夫をしてみましょう!そこに発見があればまた楽しくなります。(辻さん)
●うまくいかないことがあったら、とことんヘコもう。ヘコむってことは自分の内側に向かうことだから、研究・工夫が生まれる。そのうち気持ちも、形状記憶合金のように戻るしね。でも人にむかつくと、他人のせいにしているから次につながらないし、気持ちがパリーンと割れてしまうよ。(中谷さん)
●気力が弱っているときには、晴れた日の午前中に、寺社などに行けば新しいパワーを受けることができます。ただし、お願いごとなどをした場含には必ずお礼参りも忘れずに。もし、忘れてしまうと、反対に気力がなくなったり、運を落とすなどマイナスパワーの影響を受けてしまいます。遠い場所などで、お礼参りに行けないと感じたら散策にとどめて下さい。(セレスさん)
THU.
●身体が疲れていたら疲れを認めましょう。心の元気は身体ととても関係ありますから。いつもより睡眠をとれば、心のパワーも蘇るでしょう!(辻さん)
FRI
●1週間で自分の変化したことや、仕事で新しく学んだことを見つけてみましょう!子どもの元気の源は、変化と発見の喜びです。童心の元気があなたにもやってくるかもしれません。また1週間がんばってきた自分を褒めてあげましょう。心のパワーアツプ充電にはもってこいの方法です。(辻さん)
●気分を変えたいときには、ハーブの香りに注目。柑橘系のスツキリとした香りは気分をリフレッシュしてくれます。また、心や気持ちを落ち着かせたい(鎮静)なら、ラベンダーやビャクダンなどの香りを。さらに、集中力をUPしてパワーを出したいなら、ややスパイシーなローズマリーやウッディなジュニパーがいい。(セレスさん)
SAT./SUN.
●元気をだしたいなら、ガーデニングを。庭がなくても、プランターや鉢に植物を植えてみましょう。ガーデニング作業は、人間の5感(視、聴、触・臭・昧)に刺激を与えて癒し効果に。さらに、占い上の4つのエレメント(元素)の火・水・風・土の要素にダイレクに働きかけてくれるので、運気の調整にも役立ち元気とパワーをもらえます。(セレスさん)
●誰かに気持ちを伝えたいなら、ボウリングでメンタルトレーニングをしてみよう。ボウリングは、18メートル先のピンにいかに自分の気持ちを伝えるかの競技。レーンと気持ちの一体感が大切だ。野球もピッチャーとキャッチャーの距離は18メートル。人の気持ちは18メートルは届くんだよ。(中谷さん)
●運気の流れが気になり変えたいと思ったら、船旅が一番。海の上を進む船には、方位がないので、落ちた運気の修復にも役立ちます。もちろん、観光船やランチやディナークルーズなどでも効果あり。(セレスさん)
Copyright (C) 2000 EMINECROSS MEDICAL CENTER. All Rights Reserved