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第1章 根性は正しく遣う
第2章 自主的な目標設定をしよう!
第3章 目標達成への鍵は、理解と覚悟だ
第4章 心技体を変化させる
第5章 "するべき事"をする
第6章 "今"に生きる!
第7章 必ず自分に返ってくる!
第8章 良いところを見る
第9章 "反省"と"確認"は違う!
第10章 目標に向かって”石”を置いていく
第11章 目標に"情熱"を注ぐ
第12章 チームワークの条件とは?
第13章 本物のチームワークとは?
第14章 "怒り"の感情をコントロールせよ!
第15章 あきらめは最大の敵である!
第16章 不安はどこからくるのか?
第17章 "大丈夫"と言えること
第18章 感動を与えることの意味
第19章 休養がプラスの思考を生む!
第20章 健康の意味を知る!
第21章 "3のCと4つめのC"
第22章 "波を感じる"
第23章 コーチの資質
第24章 結果の捉え方こそ勝負の分かれ目なのだ!
第25章 誰のため?
第26章 "感謝すること"こそ勝利と一流への道 |
私はスポーツドクターとして、またバスケットボール愛好家として、井上雄彦さんのお書きになった『スラムダンク』の絶大なるファンです。読むたび毎に涙し、勇気づけられてきました。そう、私にとって『スラムダンク』は単なるスポーツコミックを超えた人生の哲学書だといっても過言ではないのです。
世の中にはきっとこのような方々が他にも多勢いらっしゃることと思います。そこで、これほどまでに多くの人々の心を動かすこの『スラムダンク』という漫画からいったい私たちは何を学ぶことが出来るのかを、「さまざまな種目の、あらゆる年代の選手たちに、目標を達成し、勝利するためのサポートをしている」スポーツドクターの立場よりスポーツ心理学、教育学、スポーツ医学などのエッセンスを交え、わたしの視点から、より多くの方々に伝えたいと思い立ったのです。
この本のテーマは勝利です。“勝つ”とはいったい何でしょうか?勝つとは、私の考えでは 「自分らしく、本番をはじめいかなるときにも実力を発揮し、そして自分にふさわしい結果を得ること」。
他人より速い・遅い、高い・低い、点数が多い・少ないなどという比較の中には本当の勝敗はないと 考えています。つまり、一般にいう勝敗などに一喜一憂する必要などないのです。
実は結果は常に決まっているからなのです。そう、自分にふさわしい結果しか来ないのだと・・・。 したがって、その結果をもたらしている「自分らしさ」への追及・努力・向上、そしてそれを「本番で発揮する」ための生き方・考え方にこそ勝利の原点があるのです。
すなわち、勝つ事とまける事は反対の関係ではなく、勝つ事とまける事は表裏一体をなしたともに 人間を成長・向上させるためのヒント、ひいては財産なのです。
この本ではそのヒントを桜木花道をはじめとする『スラムダンク』のキャラクターとともに私なりに探ってみました。読者のみなさんがスポーツあるいは人生において本当に自分にふさわしい結果を手に入れる、つまり真に「勝利」するというお手伝いが少しでもできればと祈っています。
スポーツは勝敗がはっきりしていること、また例えば長いオリンピックでも4年程度で自分にふさわしい結果がやってくることなど、まさに人生の縮図です。だからこそ、スポーツの中にはさまざまなすばらしいメッセージがあるのでしょう。真に自分にふさわしい結果を手に入れるがために、スポーツを通し心技体すべてにわたって自己向上し、セルフイメージを拡大していくこと、それが正しくできれば必ずや自己成長につながり、一流の人間となれるはずです。そのことがまたスポーツの勝負でも勝利することのできるアスリートとなっていけるのだという信念があります。
このような信念を持ちつつ日々あらゆるスポーツの選手をサポートさせていただいていると、桜木花道のようなアスリートとしての向上と人間的成長が実際の経験の中でも多々存在し、私自身も驚かされたり、感動させられたり、学ばされたりします。まさにそのような感動こそが、この本を書く原動力となったといえるでしょう。
すべての向上心ある方々、悩めるすべての人々に、この本を送ります。
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